ホーム > 長野式鍼灸について
長野式治療法とは?
ここ20年位になりますが今、鍼灸師の中でも1番関心を集める治療方法、
それが長野式(ながのしき)で、現在取り入れて治療に当たらせております。
その治療体系については長野式鍼灸のHPにも詳しく載っており、私もその研究会で勉強させて頂いております。
その研究会は大分県の故長野潔先生が文字通り命をお掛けになられて残された資料を先生の御子息やそこで学ばれた多くの先生(松本岐子、村上裕彦など)方がこんなに素晴らしい治療法をもっと多くの鍼灸師に知らしめて国民の健康保持に努めるべきと考えて設立されました。
特に松本岐子先生はボストンに在住でハーバード大学医学部卒後研修生の東洋医学の鍼灸を受け持たれていて80名(2009年)近くのドクターが学んでおられるそうです。そして世界中に長野式を広めるために飛び回っておられます。
私事ですが開業44年目(2024年現在)を迎えました。では以前の約25年はどんな治療をしてきたのか?と振り返って思うと正直なところ中には恥ずかしくなる思い出もあります。
長い鍼灸の歴史の中で多くの治療体系が生み出され、それぞれに研鑽が積まれてきて大家も多く出られました。私も多くの治療方法を試みましたが満足いく結果を得られないままも、それなりには努力をしてまいりましたが、長野式を学んでからは自信を持って治療に当たれるようになったと言って過言ではありません。
鍼灸は腰や肩、膝など、どこが痛い時に受けるものだと思っておられる方が多いと思います。もちろんそういう器質的な疾患も大いに効果があるのですが、胃腸の調子が悪い、喉が痛い、微熱が続いる、頭痛、目が痛いし乾く、めまい、歩くとフラつく、残尿感や軽い膀胱炎、はたまたうつ症状などなど多くの機能的な疾患にも効果があるのですが残念なことにあまり知られていません。
長野式ではそういう疾患が一体どこが原因、要因で起きて来るのだろうかというバックボーンを考えます。
まず栄養を吸収する胃腸を整えなくてなりません、それから身体に滞っている古い血液も多くの問題を引き起こします。またそれがあると扁桃腺に入ってくる細菌なども殺す力が弱まります。
次に扁桃腺自体を強めて免疫力を高めるツボを使います。その他にその患者さんに応じて筋肉の緊張を解す処置、脳に入る血管を多くする椎骨脳底動脈不全改善処置などなどいろいろな方法が長野式にはあり、身体の不調のバックボーンにあるだろう、原因の除去することにより改善試みます。
このツボが何々に効くらしいと言ってエレキ絆創膏を貼ってみたり、簡単なお灸をすえたり、押さえてもそんなに効果が上がらないのはバックボーンを除去することを抜いているからなのです。
最近、来院頂く患者さんの中には長野式を指定して、京都市内やその周辺からも来て下さる方もあり驚いております。治療時間は少し長くかかりますが丁寧な治療、患者さんの健康を考えての治療を心がけています。
(院長の2019年9月ワンポイントアドバイスより)
ある若者が「昔の人はどうやって待ち合わせをしていたんでしょうか?」と言う質問をされていて私は笑いながらも、自分はどうだっただろうかと過去を振り返りました。
彦根市立病院の緩和ケア科部長で精神科医の黒丸尊治先生の医学ののとらえ方が私も共感できるので、先生のブログより一部を以下に掲載します。
タイには「木々は大きな音を立てて倒れるが音を立てずに育つ」という言葉があり、確かに現代社会では気候変動や災害、テロの頻発、国際紛争などあらゆるところで「大きな木」が次々と倒れる音が聞こえます。
一方、「音を立てずに育っている木」もあります。自然志向や健康志向、平和や公正さへの関心、コミュニティへの関心、異文化への理解など部分よ全体、量より質、所有より共有、結果より経験といった事を大切にする「本」がさまざまのところで音を立てずに育っているのです。
ただしこれらは現代社会のような急速な変化として表れるものではなく、ゆっくりと静かに進行する変化だと言えます。
医学の分野でもそうです。薬や手術でさっさと治そうとする西洋医学と自然治癒力や生活習慣の見直しといった小さな変化の積み重ねによって、人が治り、癒されるという考え方の東洋医学では全く視点が異なります。
西洋医学がファーストメディスンだとするならば後者の医学はスローメディスンと言うことができます。私はスローメディスンを基本に据えて必要に応じてファーストメディスンを取り入れるようにしています。
私はスローメディスンである鍼灸治療を施させて頂くにあたり黒丸先生の考え方で取り組んでいます。
身体をゆっくりと治していく、また未だならざる病気(未病)を治す。
急に倒れない身体を作っていく医療の実践だと考えております。
※1回の診察時間は1時間30分程度で、ゆっくりと時間をかけて丁寧に診察させて頂いております。鍼と灸(跡形の残らない)とを併用で行っております。